【世代ギャップ】Z世代の78.0%が不動産投資ローンに前向き、「積極活用」はバブル世代の約7.6倍に上る|投資目的・ローン活用・物件の選び方など、20~59歳の不動産投資に興味を持つ男女を対象とした世代別意識調査

不動産投資における世代ギャップに関する調査

不動産投資プラットフォームの開発・運営を行うPropally株式会社( https://propally.co.jp/ )(本社:東京都港区、代表:齊藤郁織)は、世代別の不動産投資に対する意識や行動の違いを明らかにするため、20~59歳の不動産投資に興味を持つ男女を対象にアンケートを行いました。本調査では、Z世代とバブル世代を中心とした各世代で、不動産投資への取り組み方や重視するポイントに大きな違いがあることがわかりました。

目次

調査サマリー

今回の調査結果に関する概要は以下の通りです。

  1. 各世代で「一棟アパート・マンション」「区分所有マンション」「不動産クラウドファンディング」が人気
  2. 現物不動産投資のメリットは各世代で「安定した家賃収入」がトップ、バブル世代は51.7%と突出
  3. 現物不動産投資のハードル、Z世代は「初期投資額の高さ」26.6%が最多、バブル世代は「適切な業者選び」「維持費用」が37.9%で同率1位
  4. Z世代の78.0%が不動産投資ローンに前向き、「積極的に活用したい」は23.5%でバブル世代の約7.6倍に上る
  5. Z世代の物件選び重視ポイント、1位「管理の手間の少なさ」25.8%、2位「月々の収益」25.0%、3位「売却しやすさ」24.2%

調査の実施概要

調査機関 :自社調査
調査方法 :インターネット調査(株式会社ジャストシステム「Fastask」)
対象エリア:日本全国
対象者  :20~59歳の不動産投資に興味を持つ男女
調査期間 :2024年5月19日~5月26日、5月27日~6月1日 ※1
有効回答 :430名、452名 ※1 ※2
※1 調査は第1回(5月19日~26日、430名)、第2回(5月27日~6月1日、452名)の2段階で実施し、各項目の趣旨に応じて該当する調査結果を使用
※2 性別・年齢層の人口分布を考慮したサンプリング

主な調査結果

1.各世代で「一棟アパート・マンション」「区分所有マンション」「不動産クラウドファンディング」が人気

次のグラフは、不動産投資に興味がある人を対象に、どのような形態の不動産投資に最も興味があるか質問した結果を世代別に集計したものです。

なお、本調査では、20~29歳を「Z世代」、30~44歳を「ミレニアル世代」、45~54歳を「氷河期世代」、55~59歳を「バブル世代」と表現します。

最も興味のある不動産投資の形態(不動産投資に興味がある人・世代別)

各世代の上位3位を見ると、いずれの世代でも「一棟アパート・マンション」「区分所有マンション」「不動産クラウドファンディング」が上位を占めており、世代を問わず人気の高い投資形態であることが分かります。

Z世代では「一棟アパート・マンション」と「区分所有マンション」がともに20.5%で同率1位、「不動産クラウドファンディング」14.4%が3位となりました。ミレニアル世代では「一棟アパート・マンション」25.7%が1位、「区分所有マンション」14.3%と「不動産クラウドファンディング」14.3%が同率2位です。

氷河期世代は「不動産クラウドファンディング」18.6%が1位、「一棟アパート・マンション」17.7%と「区分所有マンション」17.7%が同率2位となっています。バブル世代では「一棟アパート・マンション」25.0%が1位、「区分所有マンション」21.9%と「不動産クラウドファンディング」21.9%が同率2位となりました。

一方で、海外不動産への関心を見ると、Z世代が13.6%と最も高く、ミレニアル世代5.7%、氷河期世代5.3%、バブル世代3.1%と続いています。Z世代は基本的な投資形態への関心に加え、海外不動産のような多様な投資対象にも目を向けており、投資への興味の幅が他世代より広い傾向がうかがえます。

2.現物不動産投資のメリットは各世代で「安定した家賃収入」がトップ、バブル世代は51.7%と突出

次のグラフは、現物不動産投資に興味がある人を対象に、現物不動産投資のメリットについて質問した結果を世代別に集計したものです。

現物不動産投資のメリット(現物不動産投資に興味がある人・世代別)

各世代がメリットとして認識している項目を見ると、「安定した家賃収入が期待できる」がいずれの世代でも最も高い割合を占めています。特にバブル世代では51.7%と半数を超え突出しており、氷河期世代も39.8%と高い一方、Z世代は28.9%、ミレニアル世代は27.9%に留まっており、上の世代ほど安定した家賃収入をメリットとして強く意識しているという結果です。

特にバブル世代では、「ローン完済後に資産が残る」「物件価格上昇時には売却益も期待できる」がそれぞれ31.0%と同率2位となっており、現物不動産を保有することによる直接的な資産形成のメリットを特に重視していると考えられます。

一方で、下の世代ほど割合が高い傾向が見られたのは「相続税や所得税などの節税効果が期待できる」「ローンを活用し少ない自己資金でも始められる」「生命保険の代わりになる」といった項目です。Z世代ではそれぞれ22.7%・19.5%・15.6%、ミレニアル世代では21.2%・17.0%・10.9%となり、下の世代は家賃収入のような直接的な収益だけでなく、多様な側面から不動産投資のメリットを捉える傾向が見られます。

3.現物不動産投資のハードル、Z世代は「初期投資額の高さ」26.6%が最多、バブル世代は「適切な業者選び」「維持費用」が37.9%で同率1位

次のグラフは、現物不動産投資に興味がある人を対象に、現物不動産投資を始める上でハードルになると感じる点について質問した結果を世代別に集計したものです。

現物不動産を始める際のハードル(現物不動産投資に興味がある人・世代別)

Z世代で最も高い割合を占めるハードルは「初期投資額が高い」26.6%で、続いて「信頼できる情報が少ない」21.1%、「物件所有に伴う維持費用が心配」18.8%となりました。Z世代にとっては資金面での負担や、投資に関する情報を得ることの難しさが主な課題となっていることがわかります。

ミレニアル世代と氷河期世代では、ともに「専門知識やノウハウが不足している」が最多の回答となり、ミレニアル世代で26.7%、氷河期世代で28.7%を占めています。この2つの世代において、不動産投資に関する知識面でのハードルを強く感じやすいことを示す結果です。

バブル世代では「適切な業者を選ぶのが難しい」と「物件所有に伴う維持費用が心配」がともに37.9%で最も高い割合となり、「初期投資額が高い」も31.0%で続きました。バブル世代は投資パートナーの選択や長期的な運用コストなど、実際の運用フェーズまで見据えた幅広い視点での懸念を抱いていることが明らかになりました。

各世代によって重視するハードルの内容が異なっており、Z世代は「資金・情報」への不安、ミレニアル・氷河期世代は「知識・ノウハウ」の不足、バブル世代は「パートナー選択・運用管理」への懸念と、それぞれ異なる課題意識を持っていることがわかります。

4.Z世代の78.0%が不動産投資ローンに前向き、「積極的に活用したい」は23.5%でバブル世代の約7.6倍に上る

次のグラフは、現物不動産投資に興味がある人を対象に、許容できる初期投資額の上限(ローンを含まない自己資金)について質問した結果を世代別に集計したものです。

現物不動産投資を始めるために許容できる自己資金の上限(現物不動産投資に興味がある人・世代別)

許容できる自己資金の上限について、「100万円未満」の合計(グラフの赤枠部分)を集計すると以下のようになります。

  • Z世代:46.9%
  • ミレニアル世代:41.2%
  • 氷河期世代:40.7%
  • バブル世代:37.8%

Z世代が最も高い割合を示しており、その他の世代でも4割程度が「100万円未満」での投資を希望しているという結果です。比較的少額の自己資金で不動産投資を始めたいと考える人は、若い世代を中心に幅広く存在していることがわかります。

続いて、不動産投資に興味がある人を対象に、不動産投資ローンを組むことについての考えを世代別に集計したグラフです。

不動産投資ローンを組むことについての考え方(不動産投資に興味がある人・世代別)

ローン利用への意向では、世代間で大きな差が見られました。Z世代は「積極的に活用したい」が23.5%で全世代中最も高く、これはバブル世代の3.1%と比較して約7.6倍の高さとなっています。「必要なら検討する」54.5%と合わせると78.0%がローンに前向きです。

ローンを「できるだけ避けたい」「絶対に避けたい」と回答した割合の合計では、バブル世代が40.7%、氷河期世代が37.2%となり、上の世代でローンに対して慎重な姿勢が目立ちます。一方、Z世代では15.9%と低く、ローン活用への抵抗が少ないことがわかります。

これらの結果から、Z世代は比較的少額の自己資金で投資を始めたい意向が強い一方で、ローンを積極的に活用することにも抵抗が少ない傾向が見られます。一般的に高額な資金が必要となる不動産投資において、少額の自己資金とローン活用を組み合わせる投資スタイルは合理的であり、Z世代の考え方と相性が良い側面もありそうです。

5.Z世代の物件選び重視ポイント、1位「管理の手間の少なさ」25.8%、2位「月々の収益」25.0%、3位「売却しやすさ」24.2%

次のグラフは、不動産投資に興味がある人を対象に、投資用不動産を選ぶ際に特に重視する点について質問した結果を世代別に集計したものです。

現物不動産投資の物件選びにおける重視ポイント(不動産投資に興味がある人・世代別)

各世代の重視点を見ると、Z世代では「管理の手間・負担の少なさ」が25.8%で最も高く、次いで「月々の収益」25.0%、「換金・売却のしやすさ」24.2%が続きます。

ミレニアル世代では「リスクの低さ」が30.3%で最多、氷河期世代では「月々の収益」が37.2%で最も高いという結果です。バブル世代では「管理の手間・負担の少なさ」34.4%を筆頭に、複数の項目が3割以上の高い数値を示しており、幅広い観点から投資判断を行っていることがうかがえます。

世代間で特に差が見られたのは「リスクの低さ」で、Z世代が19.7%と他世代の30%超と比較して低い値を示す一方、「換金・売却のしやすさ」ではZ世代が24.2%と最も高く、ミレニアル世代12.6%の約1.9倍となりました。Z世代はリスクを過度に恐れるよりも、必要な時に売却しやすい物件を重視しているようです。

「融資の受けやすさ」でも世代差が現れており、Z世代が15.9%で最も高い一方、バブル世代は0%でした。この傾向は前述のローン活用への積極的な姿勢とも一致しており、若い世代ほど融資を前提として投資戦略を考える傾向を示していると考えられます。

まとめ

今回の調査結果をまとめると以下の通りです。

  • Z世代は少額自己資金での投資を希望し、ローン活用に積極的で、換金性や流動性を重視する新しい投資スタイルを志向している
  • バブル世代は安定した家賃収入を最重視し、信頼できる業者との長期的な関係性を求める従来型の投資スタイルを好む傾向にある
  • 各世代が感じるハードルは異なっており、Z世代は資金面と情報面、ミレニアル・氷河期世代は知識・ノウハウ面、バブル世代は業者選択や運用管理面での課題をそれぞれ重視している
  • Z世代は他世代と比較してリスクの低さを重視せず、むしろ必要な時に売却できる流動性を優先する傾向が見られる

この結果からは、不動産投資市場において世代間の価値観や投資手法に明確な差が存在することが明らかになりました。特にZ世代が求める「少額から始められ、柔軟な売買が可能で、融資サポートが充実した投資環境」は、従来の不動産投資サービスでは十分に対応できていない可能性があります。

今後の不動産投資市場では、こうした新世代のニーズに応える新しいサービスモデルの登場が期待されるとともに、世代別のアプローチを考慮したサービス提供が重要になると考えられます。

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この記事を書いた人

齊藤 郁織のアバター 齊藤 郁織 (サイトウ イオリ)

Propally株式会社 代表取締役
- 宅地建物取引士
芝浦工業大学卒業後、オープンハウスグループに新卒入社、首都圏を中心に不動産営業に従事。
新卒最年少マネージャー就任、2020年度全国成約数一位を獲得。
在職中、顧客の不動産会社に対する理解度、また業界における物件情報の非対称性に問題意識を持つ。
顧客、業界双方のペインを解消させる為、Propally株式会社を創業。

- 幻冬舎コラム
[連載]初心者必見!業界出身のプロが教える不動産投資業界の裏側

- 代表者公式Xアカウント
齊藤イオリ|不動産投資アプリ

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