【不動産投資の実態調査】8割が「表面利回り」だけで購入判断?運用後、ほぼ全員が“収支の想定外”に直面する実態

不動産投資 物件購入判断の実態調査

不動産投資プラットフォームの開発・運営を行うPropally株式会社( https://propally.co.jp/ )(本社:東京都港区、代表:齊藤郁織)は、不動産投資の購入判断における実態と運用後の収支について明らかにするため、全国の20~59歳の現役不動産投資家を対象にアンケートを行いました。本調査では、表面利回りのみに頼った購入判断が、運用後の収支において想定とのギャップを生み、多くの投資家が当時の判断を後悔していることがわかりました。

目次

調査サマリー

今回の調査結果に関する概要は以下のとおりです。

1.不動産投資家の80.0%が「表面利回り」のみで物件購入を判断した経験あり
2.表面利回りのみで判断した理由、最多は「高利回り=高利益」との思い込みで27.5%、「計算環境」「知識不足」などさまざまな要因が僅差で並ぶ
3.表面利回りのみで判断した人の98.3%が収支面での想定外に直面、「税金(33.3%)」「管理費の値上げ(32.9%)」などが多い
4.表面利回りのみで判断したことについて、全体の68.7%が「後悔している」と回答

調査の実施概要

調査機関 :自社調査
調査方法 :インターネット調査(アイブリッジ株式会社「Freeasy」)
対象エリア:日本全国
対象者  :20歳~59歳の不動産投資家(居住用物件を運用中の方)
調査期間 :2026年4月27日
有効回答数:300名

※投資対象の物件種別は、区分マンション・一棟アパート・一棟マンション・戸建てです。
※事前調査は人口構成比に合わせて割付を実施。本調査では、事前調査における該当条件の出現率に基づいて、割付を行っています。
※本リリースの調査結果・グラフにおける割合は四捨五入した値を表示しているため、合計が100%にならない場合があります。

主な調査結果

1.不動産投資家の80.0%が「表面利回り」のみで物件購入を判断した経験あり

不動産投資において、購入前の収支計算はどの程度詳細に行われているのでしょうか。はじめに、現在不動産投資を行っている人を対象に、物件購入時に維持費などの詳細な収支計算を行わず、「表面利回り」の数字だけで投資判断を行った経験の有無を質問した結果です。

不動産購入時に、「表面利回り」だけで判断した経験(20~50代の現役投資家)

回答割合を見ると、「ある」が80.0%で大半を占めました。一方で、「一度もない」は15.0%にとどまっています。

この結果から、大多数の投資家が物件購入の初期段階において、維持費等を含めた詳細な計算を行わなかった経験を持っていることがわかります。投資判断において、複雑で算出が難しい詳細な収支のシミュレーションよりも、指標としてわかりやすい表面利回りが意思決定に大きな影響を与えやすい傾向がうかがえます。

2.表面利回りのみで判断した理由、最多は「高利回り=高利益」との思い込みで27.5%、「計算環境」「知識不足」などさまざまな要因が僅差で並ぶ

それでは、なぜ多くの投資家が詳細な計算を避け、表面利回りのみで判断してしまったのでしょうか。次のグラフは、表面利回りで判断した経験がある人を対象に、その具体的な理由を質問した結果です。

「表面利回り」だけで判断した理由(20~50代の現役投資家)

各項目の割合を見ると、最も多かった理由は「『高利回り=高利益』だと思い込んでいたから」で27.5%でした。次いで、「手軽に詳細な計算ができるツールや環境が不足していたから(26.7%)」「維持費や税金がどの程度かかるか把握していなかったから(26.3%)」といった回答が続いています。

さらに、「将来の家賃下落や空室リスクを楽観視していたから(25.0%)」や「不動産会社の営業に強く勧められたから(25.0%)」も20%台半ばで並んでおり、上位から下位までの差が小さいことがわかります。

いずれかの理由に大きく偏っているわけではなく、思い込みや知識不足、そもそも計算できる環境にないといったさまざまな要因が背景にあることが見えてきます。詳細な計算を行うまでのハードルはさまざまあり、結果として、表面利回りというわかりやすい指標に頼りやすくなっている状況があるようです。

3.表面利回りのみで判断した人の98.3%が収支面での想定外に直面、「税金(33.3%)」「管理費の値上げ(32.9%)」などが多い

詳細な計算を行わずに物件を購入した場合、運用開始後にどういった問題に直面するのでしょうか。引き続き、表面利回りで判断した経験がある人を対象に、購入後の収支に関して想定外だったことを質問した結果です。

「表面利回り」だけで判断した物件の購入後、収支に関して「想定外だったこと」(20~50代の現役投資家)

回答を見ると、「想定外なことはなかった(1.3%)」「わからない(0.4%)」を除き、全体の98.3%が何らかの想定外について回答しています。表面利回りだけで判断した場合、ほぼすべての投資家が収支面での想定外に直面することになるといえそうです。

具体的な項目としては、「税金(固定資産税、不動産取得税など)」が33.3%で最も多くなっています。これに「管理費・修繕積立金の値上げ(32.9%)」が続き、さらに「突発的な設備の修繕費」「退去時の原状回復・清掃費用」「入居者募集時の広告費・仲介手数料」がいずれも29.6%と同率で並びました。一方で、「空室期間の長期化(23.3%)」や「家賃の下落(17.1%)」は比較的低い割合にとどまっています。

空室や家賃下落といった収入減少のリスクよりも、税金や管理費の増額、突発的な修繕といった維持管理に伴う支出のほうが想定外になりやすい傾向がうかがえます。表面利回りだけで判断した投資家は、こうした物件を維持するための具体的な経費を見落として、収支が圧迫されるケースが多いと考えられます。

4.表面利回りのみで判断したことについて、全体の68.7%が「後悔している」と回答

実際に運用を経験した現在、当時の自身の判断をどのように捉えているのでしょうか。最後に、表面利回りで判断した経験がある人を対象に、表面利回りの数字だけで物件を判断したことについて現在後悔しているか質問した結果を見ていきます。

「表面利回り」だけで判断して後悔している人の割合(20~50代の現役投資家)

回答を見ると、「強く後悔している」が27.9%、「やや後悔している」が40.8%でした。これらを合わせると、全体の68.7%が当時の判断を後悔していると回答しています。一方で、「あまり後悔していない(26.7%)」と「全く後悔していない(4.2%)」を合わせた割合は30.9%となっています。

過半数を大きく上回る投資家が、当時の決断を後悔している様子がうかがえます。表面利回りは物件を検討するうえでわかりやすい指標である一方で、それ単体で投資判断を下すことは、運用における思わぬつまずきにつながりやすいといえそうです。

まとめ:投資家の「後悔」を防ぐために求められる仕組み

本調査を通じて、多くの投資家が表面利回りのみで物件購入を判断し、運用開始後に想定外のコストに直面している現状が見えてきました。物件検討時はわかりやすい数字に頼りがちですが、このことが運用後の計画に狂いを生じさせ、過去の決断を後悔することになるケースが多いようです。

こうしたつまずきを防ぐためには、維持管理にかかる実質的なコストを含めて、将来の収支を客観的に見極められる仕組みが求められます。目先の利回りにとらわれず、データに基づいて詳細なシミュレーションを行える環境が広がることが、投資家の安定した資産形成につながっていくはずです。

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この記事を書いた人

齊藤 郁織のアバター 齊藤 郁織 (サイトウ イオリ)

Propally株式会社 代表取締役
- 宅地建物取引士
芝浦工業大学卒業後、オープンハウスグループに新卒入社、首都圏を中心に不動産営業に従事。
新卒最年少マネージャー就任、2020年度全国成約数一位を獲得。
在職中、顧客の不動産会社に対する理解度、また業界における物件情報の非対称性に問題意識を持つ。
顧客、業界双方のペインを解消させる為、Propally株式会社を創業。

- 幻冬舎コラム
[連載]初心者必見!業界出身のプロが教える不動産投資業界の裏側

- 代表者公式Xアカウント
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